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Jun 25, 2019

石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.1 緑茶の可能性


日本茶は、あらゆるものや人を繋ぐ架け橋

石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.1 緑茶の可能性 photo


はじめまして。今年度、ティーレポーターを務めさせていただきます、石司麻美と申します。私は日本茶に魅了され、今では仕事もプライベートも日本茶漬けの毎日ですが、幼い頃から当たり前のようにお茶を飲んでいたため、20歳過ぎる前まではお茶の美味しさも素晴らしさも全く意識せずに生活をしていました。

20代前半、当時働いていた中国料理店で中国茶に出逢い、中国茶の華やかな香りと多様な種類に魅せられたのが、“お茶”というものに興味を持ったきっかけでした。お茶に“品種”や“産地”、“製法”や“摘み取り時期”による違いがあることを初めて知り、中国に渡って中国茶藝師の資格を取得しました。


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(中国茶を淹れるイベントにて)


ところがある日、ふと「静岡に住んでいるのに、日本茶のこと、全然知らない!」ということに気が付いたのです。そして、当時はまだ全国でも数少ない、品種茶や産地別の日本茶を揃えた“茶空間”という日本茶カフェに飛び込みで入り、そこから私の日本茶人生が始まったのです。石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.1 緑茶の可能性 photo

(私の師匠「茶空間」望月さんと。豊好園さんの茶畑にて)


静岡市のお茶の組合運営する日本茶カフェのオープニングスタッフとして多くの茶商さんに学ばせてもらったり、製茶問屋に勤めて全国のお茶の嗜好、茶業界の長所と短所を肌で感じたり、一昨年からは放置茶園を復活すべくお茶の生産を始め、さらに日本茶の可能性を広げるための新しい商品開発に取り組む、まさにお茶一色の生活を送っています。



永谷宗円さんが開発した日本茶の素晴らしさ!

日本の煎茶は、約280年前の江戸時代、京都の永谷宗円さん(現在の永谷園さんのご先祖様)が開発した、青製煎茶製法と呼ばれる製法で作られています。お茶の葉を蒸して丹念に揉み、撚って作られる煎茶は、15年もの年月をかけて開発された日本独自の画期的な製法なのです。透き通った黄金色のお茶の色と深い味わいは、この製法で作られるからこそ。

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(永谷宗円さんの生家。青製煎茶製法がここで生まれました)


中国にも緑茶はありますが、煎茶とは製法が違うため、味わいよりも香りを楽しむことに重点が置かれています。

また、コーヒーや紅茶は味と香りの主張がはっきりしているため、食事の時に飲まれることはほとんどありません。しかし日本茶は、食事の際にも多く飲まれています。世界中に様々な飲み物がある中で、日本茶だけが食事の際にも飲まれている理由は、“旨味”をたっぷり含んでいるからでは?と気が付きました。



食事を引き立てるお茶を開発したい!

12年ほど、日本茶カフェや製茶問屋で日本茶を学びながら働く中で、世の中のライフスタイルや食生活が変化しているにも関わらず、日本茶の楽しみ方にはあまり変化がないことにもったいなさを感じていました。伝統的に急須で淹れる方法は、多くの茶業者の方やインストラクターの方が啓蒙していますが、もっと新しい日本茶の楽しみ方があっても良いのではないか?という思いが、年々、私の中で膨らんでいきました。


私の父が調理師だったことから、幼い頃から、食べ物の味や香り、食感を味わって食べる癖がついていました。そして、お酒が飲めない体質だったこともあり、和食だけでなく、洋食やスイーツなど、様々な食事をより美味しく引き立てる日本茶の提案ができないか考える中で、日本茶にハーブやスパイスをブレンドすることを思いつき、今までにありそうでなかった飲み物“ハーブ緑茶”ブレンドを創り上げました。

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(食事やライフスタイルに合わせてブレンドするハーブ緑茶 )


お茶には、年齢や人種に関係なく、人と人とのご縁を繋ぐ不思議な力があります。そんなお茶を通して繋がった不思議なご縁や奇跡、“ハーブ緑茶”という新しい日本茶の可能性、ティーペアリングの考え方などについて、これからの記事でご紹介させていただきます。